2016年3月24日木曜日

【PlanetMosh】メタルレジスタンスレビュー

BABYMETAL - メタルレジスタンス

Elliot Leaver著
★★★★★(5つ星 / 満点)

ファーストアルバムを書き上げるまでには一生涯程の時間が必要になったと感じられるが、セカンドアルバムを書き上げるその間は実質的な18ヶ月になるとも言われる。
BABYMETALのセルフタイトルデビューアルバムへの大きなリアクションを受け、女の子達、バッキングを担当するKami band、そしてマネージメントは同じクオリティのセカンドアルバムを制作する為に狂おしい程のプレッシャーの下にあっただろう。(これはもちろんだ。今やそのバンドは母国においてOne Directionよりも早く会場をソールドアウトさせるのだから。)
そのバンドが従う「狐の神」の物語とひも付けられ、今や「Fox Day」と呼ばれる4月1日にearMusicを通して発売されるメタルレジスタンスは大きな一つの質問への回答とならなければならない: BABYMETALはただの一発屋以上のものなのか?


答えはって?ああ、イエスだ。間違いなく力強くイエスと言える。

2つのオープニグトラックは新しいものではない; 「Road of Resistance」はDragonforceのHerman LiとSam Totmanをフューチャリングしたパワーメタルエクストラバガンザであり、既に18ヶ月聴かれており、そびえ立つリフと巨大なアリーナ級のサビをもつ「KARATE」は数週前にリリースされていた。だが素晴らしい事に他の10曲の存在感はより印象的なのだ。シンセポップが駆り立てる「YAVA!」からバトルメタル 感のある「Meta Taro」まで、これは前作よりずっと大きなものであり、BABYMETALが定着するという意思を強く表明するものだ。リードボーカリストであるSU-METALは非常に成長しており、彼女の声は以前よりずっと力強くなり、「Amore」を始まりから終わりに至るまで美しく届ける。一方、YUIMETALとMOAMETALの2人の声は更に小生意気さを備え、ニューメタルに影響を受けた「GJ!」をKornとLimp Bizkitのみが過去にやり遂げれた形で跳ねさせる。しかし全てにおけるベストな曲は「No Rain No Rainbow」だ。
Leppard*1とWhitesnake*2のベストな曲の座をも脅かすパワーバラードだ(本気でそれ程に良いんだよ)。おお、そして女の子達の英語レッスンには立派な見返りがもたらされた。なぜならクロージング曲「THE ONE」での彼女達の発声法は完璧で、大学の学位をもつイギリス人でもそれ程に喋れない者がいる程だ。

ある意味においてはこのアルバムとは悪夢だ。だがしかし、それはBABYMETALが落伍し無名の存在へと消えていく事を望んでいた自称「エリート主義者」だけにとっては。
そのようにはならず、彼女達はまたしても手品のように苦境を脱する方法を見つけ出したのだ。なんという事だろう。

訳者注釈:
*1 Leppard

イギリスのハードロックバンドDEF LEPPARDの事。
数千万枚規模でアルバムを売り上げた80年代メインストリームロックの中心的なバンド。

*2 Whitesnake

イギリスのハードロックバンド。
元Deep PurpleのDavid Coverdaleを中心としたグループである。

ソース: Planet Mosh

4 件のコメント:

  1. BABYMETAL翻訳さん、いつも楽しい記事の翻訳ありがとうございます。
    翻訳された記事を見ると、以前の評論は「BABYMETALを認めるor認めない」のような論調がが多かったような気がしますが、今回は「これがBABYMETAL」というのが各評論家の心にあって、演奏が素晴らしい、SU-METALの歌が心に響く、相変わらず楽しい音楽、といった自分の好きなところを見つけて評論しているように感じました。この評論を見るとBABYMETALは奇妙なバンドではなく『BABYMETAL』として完全に受け入れられているようでうれしいです。

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  2. 「No Rain No Rainbow」をべたぼめしたレビューは初めて見ました。個人的には大歓迎。原文記事の横に要約が載ってますね。以下、
    彼らは過去2年間で最も人気のあるバンドでその勢いは全くおとろえない。実際、BABYMETALは今まで以上に「メタルレジスタンス」を見せているのだ。

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  3. 正直、ネイティブでない私にはSUの英語の発声がどの程度の物か判断しかねていた。しかし、この論評は素直に信じていいだろう。
    「彼女達の発声法は完璧で、大学の学位をもつイギリス人でもそれ程に喋れない者がいる程だ」は少々、大袈裟かとも思うが、「THE ONE」のSUの英語の歌唱はまるでネイティブの様で私には聞き取りにくかったのだから確かにネイティブ級なのだろう。
    SUならば、英語を文字として目から学ぶのではなく、音として耳から学ぶだろう。その上で、その歌詞を伝えるべく感性を駆使するだろう。
    驚異的上達は期待できるだろうが、日本語の美しさでしか表現できないものもある。そこは使い分けて欲しいのだが。

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  4. 個人的にはイギリスのバンドでパワーバラードと言えばプリーズドントリーヴミーは外せないと思う。

    ノーレインノーレインボーはアレンジ変えてるのかが気になるところです。
    今までのバージョンはちょっとアレンジが弱いかなという気がします。
    好きな人すみません。

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