2014年11月21日金曜日

【noisey】BABYMETAL VS ブレットベルト:メタルヘッドによる日本人バンドの狂ったライブレビュー


2014年11月5日に投稿されたライブレビュー。翻訳のリクエストをコメントで頂戴した記事です。

Kim Kelly著

BABYMETALは2005年あたりに起こった「デスコアはメタルか?」という論争以来、ヘヴィーメタル界を襲った最も意見を対立させる存在だ。2012年にアメリカの音楽レーダーに日本人のボーカル・ダンスグループが検知されてからというものの、そのトリオや、彼女達による「ヘヴィーメタル」の馬鹿らしく総天然色な解釈についてメタルサイト様が投稿してくだされば、コメント欄は常に例外なく大いなる嘆きと歯軋りで一杯となった。問題は、わかるよね...「J-POP ミーツ Nu metal」というアプローチが「真のメタル(™)」か否かという事が、驚く程の数の成人達にとって真正な問題となっている。BABYMETALが日本で繁栄するアイドルシーンから造り上げられたポップグループで、彼女達のプロデューサーが新しいガールバンドを結成する上でのキュートなテーマとする為に「メタル」化させただけという事は正しい認識だ。3人の女の子達(それぞれ1997年から1999年の間に生まれてる。なんて事。私、ババアだわ。)は楽器を演奏せず、このバンドに関わるまでヘヴィーメタルを聴いたことは決してなかったが、今やSlayerからCarcassまでのメンバー達と親しげに写真を撮影しているのだ。彼女達は聖人Dio自身からもたらさたメタルにとっての神聖中の神聖なホーンサインさえも独自の可愛い解釈をしている。

BABYMETALの存在そのものが、サブカルチャーそして多くの人々が真剣に捉え愛しているジャンルに対する侮辱と受け取られかねない。日本とは、衣装の事などまるで気にかけないSabbat、Abigail、Corrupted、GISM、GauzeそしてMerzbow*1といった本質的にポップスバンドには合わない物を定着させてきた多くのファンタスティックで、革新的、かつ強烈にクレイジーなメタルやパンク、そしてノイズのホームグラウンドである。畜生。数年前にはGallhammer*2が日本人の女性のみによるバンドという立場を独占していて、たくさんのHellhammerやAmebix*3のリフをもたらしていた。Su-metalはハイパーモダンで徹底的に除菌されたバブルガムポップ版のVivian Slaughter*4であり、これらの全くもって異なるバンドを一つに括る事は、互いにとって公正ではないが、Gallhammerが全盛期にBABYMETALがそのキャリア全てで得る注目の5分の1でも集めるところを見てみたかった。この煌びやかなバンドがLady Gagaとツアーをし、巨大な会場を完売させている一方、多くの驚異的なアンダーグラウンドなメタルバンドが献身的な仕事ぶりにも関わらず全く稼げずにいる。BABYMETALの音楽自体は...そうね...それはJ-POPがNu Metal、ダブステップ、レゲエ、ヒップホップ、そして中価格帯のキーボードで鳴らせるたくさんノイズと混ざったものだ。少々馬鹿げたものだが(BABYMETALが新しいBarathrumの復刻版*5の売上を減らしはしないわよ)人々は彼女達に興奮している。あなたが気に入るのは別に構わない(ただ馬鹿げた事だけれども)。もし下らないって思うなら、それもまた構わない。今夜に至るまでBABYMETALの戯れで故意による世界征服をほぼ完璧に無視しつづける事ができていたが、担当編集者がHammerstein Ballroomで行われる彼女達のソールドアウトライブに私を送り込み、80分間それに浸らせてみるのも笑えると考えたようだ。Fred、ありがとよ。

理屈の上ではBABYMETALのアイディアは本当に良いものだと思っている。彼女達は3名の若いアジア人の女性に率いられた大いに人気のあるバンドで、ヘヴィーメタルの福音を広く遠くへと届ける事を目的としている。より濃厚なメタルへと誘う理想的なゲートウェイバンドとしての役割を担い、またその事をなかなかに楽しんでいる。彼女達の衣装は年齢に見合ったもので、セクシーさを出そうと身悶えするような事もなく、ライブ終わりには巨大な文字によって彼女達なりのいじめ反対のメッセージを示す。彼女達のイメージや表現が堅くコントロールされた上のものだとしても、その女の子達は彼女達の力を良い事の為に使おうとしている。BABYMETALの世界の中、1時間と20分の間とらわれの身になった後、私は人々が彼女達のパフォーマンスをなぜ楽しむのかを完璧に理解する事が出来た。まばゆさ、派手さ、狂乱に満ちており、ヤバいレーザーもある。Britney Spearsのベガスライブの途中でアニメが現実になって現れたかのようだ。それであろうとも、なぜ彼女達の音楽を聴きたいと思うのかは計り知れない。出来得る限りオープンマインドな状態で今夜のライブに挑み、当初の「いったい何が起きてるの!?」という反応からはじまり、最初の数曲の間に起こったスペクタクルを私は本当に楽しんでいた。そしてそれは早急に色あせていき...そしてひたすらに、ただひたすらに続いていった。私の後ろに座っていた兄弟は恍惚としていたが、同時に彼らは大量のビールを消費していた。

1人のエイリアンと ミスマッチなギターを携えた3人のJoey Jordison*6クローンが(ずっと究極に熱をおびた様子だったピンクギターの男に敬意を送るわ)熟練の手腕でごった煮の音を実質的な音楽へと導く中、お揃いの赤いチュチュと光り輝くシルバーの胸甲に身を包んだSu-metal、Yuimetal、そしてMoametalが飛び跳ね回り、不変の笑顔の上で揃いのポニーテイルが陽気に動く。彼女達は多量のエネルギーをもちあわせており、また後ろで演奏されている音楽に関わっているかのように装う事もなかった事は、なかなかに私を認めさせた。Su-metalは実際に歌っていると見受けられる唯一のメンバーで、そのバッキングトラックを越える、彼女の年齢と発達からしてとんでもなくパワフルな声を持ち合わせていた。ある時にはマントを携えはじめていた。すなわち彼女はこれをマジにとらえてるってことね。彼女のお仲間のYuimetalとMeametalは事前に録音された自分たちのボーカルを無視して、子犬のようにステージを転げ回り、お互いの動きがシンクロする事は滅多になかった。振り付けはめちゃくちゃで、女の子達が酷いツアースケジュールのせいで弱りきっている事を私は気に病み、寝る間がいつあるのだろうと心配させられた(もう一度言うけど、わたしババアだからね)。技術的な欠陥の一方、照明ショーは素晴らしく、観客達はそれらをチョコレートにくるまれたコカインかのように食い尽していた。

そのジョイントは頬一杯となり、観客全体が飛び跳ねて踊り、グロースティックを振り、素晴らしい時間を過ごしていた。セーラームーンのコスチュームに身を包んだティーンエイジャーの女の子達、若いプロフェッショナルなタイプ、小さな子供達、アニメのシャツを来た高校生、お婆さんのペア、そして予想外にもたくさんのハゲ頭。参加者に多くの中年男性が居る事に呆気にとられた; ここではかなりのパーセンテージを占めていた。BABYMETALがティーンエイジャーにアピールする為に科学的に造り上げられているとするならば、それは奇妙なように見えたが、より気持ちの悪い考えについて強調する前に、おそらくはノスタルジックな楽曲に引き寄せられてきたのだと考える事にした。BABYMETALの「メタル」部分は2000年代後期のNu Metalから直接来ており、SlipknotやCoal Chamber、同じくLinkin Park、そして少量のLacuna Coilの破片を混ぜ合わせたものだ(そしてギターはとんでもない速弾きになっていて、稀にほぼネオクラシカルにもなる - Children of Bodomを考慮してみてほしい)。ファン層に年齢制限は無いし、一般的なメタルライブが若返りの泉というわけでもない。

観客の(私以外の)全員に1つ共通していたのは、そこに居る事にとても興奮していて、BABYMETALを見る事に熱中しており、小便みたいに薄いジャック・アンド・コークに10ドル払わされる事にも怒ってはいなかった。私の隣で立ちあがった男は、私が過去にお気に入りになった何よりもハマっている様子で、全ての曲の歌詞を口ずさんでいた。Su-metalと女の子達はステージに登場した瞬間からその小さな指に会場中をまとっていて、私が会場から外に出る頃には興奮したファン達が今夜が人生で最高の夜だったと断言する声を大量に耳にした。物販エリアへと続く行列はホラー級の集団になっており(物販を担当した人々がその中でなかなかのチップを手にできた事を願っているわ)、ライブがはじまる前ですら大量のBABYMETALシャツやパーカーが観客に点在していた。そのパトロン達の内いくらかはこれが初めてのコンサートでもおかしくない若さだ。もっと酷い初コンサートはいくらでもあり得る。畜生。私の初めてのコンサートはNSYNCだったのよ。どれだけ転向したかがわかるわよね。

BABYMETALが本物か、価値のある物か、マトモな物か、インターネットが心配する馬鹿げたものかに関わらず、人々が強烈に彼女達を愛している事は真実である。否。彼女達はヘヴィーでもエクストリームでもメタルですらない。彼女達を1時間以上聞き続ける事は、自分の鼓膜を掻き出したくなるような体験だったが、ティーンエイジャーの女の子達が死とチョコレートについて歌う事がより若い世代をいつかMotorheadやMorbid Angelに導く事になるのならば、そんな事はどうにでもなれ。彼女達の全てが悪くなりようはない。BABYMETAL、好きなようにしな。

※レゲエ部分だけにしておいて、下手くそなHip Hopの部分は全部カットした方がいいわよ。あれは酷かったわ。

ソース: http://noisey.vice.com/blog/heavy-metal-fan-vs-babymetal-the-review

【訳者注釈】
*1 Sabbat、Abigail、Corrupted、GISM、GauzeそしてMerzbow:
Sabbat、Abigailはそれぞれ80年代、90年代から活動するブラックメタルバンド。
GISM、Gauseは80年代から活動するパンク・ハードコアバンド。
Merzbowは秋田昌美のノイズミュージック活動時の名義。

*2 Gallhammer:
女性スリーピースエクストリームメタルバンド。既に解散。

*3 HellhammerやAmebix:
共にGallhammerが影響を受けたと公言している。
Amebixは80年代に活動したイギリスのクラスト / ハードコアバンド。
Hellhammerも同じく80年代に活動したスイスのエクストリームメタルバンド。
ブラックメタル創成に多大な影響を与えた。Gallhammerの名前の由来にもなっている。

*4 Vivian Slaughter:
Gallhammerのボーカル・ベース担当。現在は元MayhemのボーカリストManiacことSven Erik Kristiansenの妻。

*5 Barathrumの復刻版:
フィンランドのブラックドゥームメタルバンド。2014年12月、1997年にリリースされたEPが復刻される。

*6 Joey Jordison:
Slipknotのドラマー。

【訳者雑感】
辛辣かつある種の先入観も含みつつも、評価するべきところは評価しており、また事前、事後調査もきちんと行っている事から、個人の好みだけで全体の論評としないジャーナリストとしての姿勢を強く感じる良い記事でした。
またその先入観についても、10代前半にハードコア、ノイズ、前衛にどっぷりとつかっていた身として、純粋に音表現そのものや、ジャンルへと向かうアティテュードを重視する日本のアンダーグラウンドシーンを尊び愛でる気持ちからくるだろう筆者の視点は非常に理解できるところもあります。

少々話は飛ぶようですが、98年にリリースされたPUFFYのアルバム「JET CD」にDr. Strange Loveによる小美人という楽曲が収録されています。


ストーナーから三拍子のプログレ・ジャムインストへと展開し、またストーナーへと戻りノイズが折り重なり収束していくというBABYMETAL以上にアイドルらしからぬ楽曲です。
BABYMETALが今後リリースを重ね、許容できる音楽性が更に広がっていく中、例えばドゥーム要素であったり、そのようなアンダーグラウンドなフレーバーも取り入れた楽曲が生成されてきた時、Kim Kelly女史をはじめとしたメタルエリートならぬアンダーグラウンドエリート達の目も醒まさせる存在となってくるならば、(あくまでも)個人的には興味深い展開となると感じています。

47 件のコメント:

  1. 大変興味深く読ませて頂きました。ありがとうございます
    全体的に冷静ですが、やはり同姓の女性が書いた方が男から見たような甘さがなくていいのかなと思いました

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  2. 海外の人達って日本のアンダーグラウンドを神聖化しすぎな気がする

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  3. 人生を生きていく中でいつの間にか身に付けた色眼鏡をいつ外すのかと期待を持って読み進めたんですが「外すのか」という瞬間は何度か訪れましたが結局彼女は外しませんでしたね
    そこに彼女のプロフェッショナルを感じました
    とはいえそんな彼女でも認めざるを得ないパワーがベビメタにはあります
    さらに言えば反対側にいる方の言葉だからこそ
    「私が会場から外に出る頃には興奮したファン達が今夜が人生で最高の夜だったと断言する声を大量に耳にした。」がその言葉に重みを与え真実味を増してくれます
    反対側でも認めざるを得ない存在になったということですね

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  4. 管理人さん
    人生は今日で終わりじゃない
    枕に身を任せれば気が付いたころにはもう明日になってます
    嬉しいですが飛ばしすぎですよ

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  5. Kim Kellyって当初からベビメタ毛嫌いしてたよねw散々ぶーたれて。
    やっとムーブメントとして認める気にはなったけど、やっぱりこんなんメタルじゃない!って言いたいんだろうなー。

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  6. この人の記事を読みたかったんです。
    辛口な部分はありますが、すごい評価かわりましたね。
    もう相当な部分を認めてるっていう・・・

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  7. 翻訳お疲れ様
    いつも楽しみにしています

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  8. kellyさんの記事、気になっていたので翻訳ありがたいです。ツッコミたい所も多々ありましたが彼女の音楽価値観、ことさらheavymusicに対する愛を感じました。管理人さんはもしかしてアングラ系が好物な方なのでしょうか?訳者雑感は共感しました。個人的にはblack,B,Mが鍵を握っていると思っています。

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    1. 元々はジャンルに拘りまくるタイプでしたが、今はアングラな音楽でもポップスでもなんでも聴く雑食です。BLACK BMのフォーマットは色んなジャンルの要素を吸収しやすいでしょうね〜。

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  9. 素晴らしい翻訳の連投、お疲れ様です。楽しみながら、ゆっくりペースで構いませんので、どうか翻訳の継続をして頂けたら有り難いです。本当に本当に管理人様の存在は助かります。

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  10. 辛口な意見も必要だよね。
    二件目のコメントの方、日本人も海外がわからずヨーロッパ、欧米諸国を良く見すぎる(美しく見てる?)部分が、あると思うのでお互いさまでは? 隣の芝は青く見えますし。
    勿論海外を、そして日本を冷静に見れる人もいますが皆自国や同じような文化に囲まれてると飽きますからね。

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  11. ここにはいないけれど、95%の賞賛と5%の幼稚な批判のスケープゴートで構成される翻訳サイトの見過ぎだと思う人が最近すごく増えてきてるから、批判になれていない人がこういう辛口な意見を受けて自分が傷つけられたように怒らないかヒヤヒヤする

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  12. 辛口な意見でもこういう冷静で具体的な内容を語れる人となら、相手を尊重した上でまともに議論できるんだろうね
    ネット上にある批判の99.9%はただの罵詈雑言やレッテル貼りや人格批判だから、彼らとは議論する気にもならない
    BABYMETALネタに限らずね

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  13. Kim Kelly女史は、ただ単にマイナーで多くの人には知られていないバンドが好きな「自分」が好きなだけに思えるけどなぁ~。

    「売れている」から音楽的な質が「低い」とは言えないし、またその逆で「売れていない」から音楽的な質が「高い」とも言えない。

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  15. 翻訳ありがとうございます。
    私はこの人なら逆説的な意味で大絶賛すると思っていたので意外でした。
    その意味で心の葛藤があるのかなぁ、と解釈しました。

    本来、贅肉をそぎ落としたソリッドな(カッコ付き)本物の音楽や
    アンダーグランド・前衛と呼ばれるような音楽は、
    大衆化された最大公約数のシュガーコーティングされたメジャー音楽が
    あって、それに対する嫉妬・アンチ・抵抗・逸脱といった行為から
    成り立つモノで、あくまでメジャーありきの音楽だと思うのです。
    立場が逆転することはあってもその相対関係は変わらず
    どこまでいってもメジャーの裏面であり、お互いが寄り添う存在です。

    BABYMETAL が注目されメジャーになれば、当然の事として、
    その裏面にあたるものがピックアップ・クローズアップされます。
    そのとき本当にチカラのあるものは世に出て成功すると思うのです。
    そのことは彼女にとってもとても歓迎すべきことではないでしょうか。

    記事でもショー自体やパフォーマンスには一定の評価をされています。
    彼女が現在の自分の立ち位置などを考えるとこれが限界だったのでしょう。

    その意味でBABYMETALはさらにメジャーになることに躍進し、
    彼女達がアンダーグランド・前衛を取り込むのでは無く、
    メジャーとしてより煌びやかに輝き、裏面側の人に光が届く
    様にすることこそが本命であり使命だと思うのです。

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    1. とても興味深く拝見させてもらいました。何故か脳裏にMetallicaが浮かびました。これからBMがどうゆう道をたどるかは狐様のみぞ知るですが、現時点で裏側であるアングラ的要素を含んだBMが観てみたい気持ちがあります。ご承知の通り、BMはサウンド、演出、ファンに至るまで雑多です。新曲であるThe one はもうお聞きになりましたか? もろにDragonforceです。いくら本人たちが関わっているとはいっても他のバンドではあり得ないです。それが許されるBMは貴重な存在で可能性を感じます。 後、kellyさんは単純にBMと感性が合わないぽく感じました。管理人さんが翻訳なさってくれた彼女の捨て台詞 「レゲエ部分だけにしておいて、下手なHipHopの部分は全部カットした方がいいわよ。」 に表れていると思います。

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    2. どちらが表裏かというのは基点によって解釈が変わり迷宮に入りますが、
      BABYMETALは雑食性のJ-POPを基盤にして、日本のローカル・ネタが
      入っているので、ぱっと見にはゴッタ煮で雑多な印象を受けますが、
      ことメタル要素にだけ限定すると、あたかも一般の音楽リスナーに
      「メタルといったらなにを想像する?」というアケート結果から
      採用されたような、割と明解で限定的なリソースからのBM流解釈による
      具現化だったりします。つまりこれはいまのところメタル・シーンの
      メジャー・王道の道から逸脱した音は採用はされてないということです。
      (もちろんDRAGONFORCEもメタル界ではメジャーなバンドですよね)

      BABYMETALはセレブリティとして王道の道を行こうとしてる様に見えます。

      私が考えるに彼女はライヴに行って確信し、安堵したのだと思います。
      「私の愛してやまないバンドとは被らないし、貶めたりしない」と。
      (そのことを匂わすような文が記事からいくつか散見されます)

      そしてそこから音楽を愛する一個人と音楽業界人としての政治的思惑との
      狭間で逡巡が始まったのではないかと推測します。
      それが記事の中で揺れ動いて表れていると思うととても興味深いです。

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    3. 「BABYMETALはセレブリティとして王道の道を行こうとしてる様にみえます。」素晴らしい一節ですね。全てのファンが望んでいることでしょうし、私も異論はありません。アングラ的要素を含んだBMが観てみたい気持ちとゆうのは私のささやかな願望です。DragonForceとコラボしたなら写真つながりでCarcass等とも観てみたいです。以前、非常階段が初音ミクとコラボした音像は想定内とはいえ印象深かったのですが、私にとってBMはそうゆう対象でもあり、何か面白いことになるのではないかと想ったしだいです。 Kellyさんの記事はあの小言をどう解釈するかによって印象が変わりますよね。自分のカラーをだす為の表現方法なのかな? 気になってnoiseyの彼女の他の記事、拝見したのですが、外国語が苦手な私では、細かなニュアンスまで解りませんでした。ですが、彼女みたいな方がBMを肯定的に捉えて下さるのでしたら、頼もしいかぎりです。

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  16. Unknownの意見は面白いですね。Babymetalは広範囲なカルチャーを内包しているが、この姿勢を保ちつつメジャーになることは
    恩恵を受けるアンダーグラウンドコミュニティも多岐にわたると言うことですね

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  17. 批判というより、彼女なりの批評といった感じですね。
    ましてや罵詈雑言とは全く違うものだと思います。
    本当は言いたい事あるんでしょうけどw
    それを努めて抑えて批評することにプロとしての姿勢を感じますね。

    SPA!の糞記事書いた糞記者には、ちゃんと現場で生の物を見て、
    自分の言葉で記事にするのがプロだよ?と言いたいですね。

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  18. ゆいもあのダンスはもともとシンクロ率より個性尊重なんだが。
    ともあれ、女の子たちの体調を心配し始めたら、それは父兄化の第一歩だKimさんw

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  19. BHOさんエイリアンにされちゃったねぇ、、

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  20. ↑エイリアンは外国人って意味だって英単語集に載ってたよ

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  21. この方に限らずメタル関係の記事を書く方々にとってベビメタはすばらしく貴重な存在でしょうね
    本当に数年ぶりに論争を巻き起こしてくれてますし記事の反応もすごいと予想できます

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  22. 好きにしな
    キムケリー

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  23. ↑ うまい!座布団もっといで!w

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  24. 翻訳ご苦労様です。
    メタル界の”おすぴー”キム姉さんにしては、高評価だと思う。

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  25. 認めるべき点は律儀に認めた上で,この良心的なライターのアンダーグラウンド・アヴァンギャルドの精神がどうしても譲れないものとして,ライヴの形態的にはIn This Momentとさしたる違いもないBABYMETALがそれでもマニュファクチュア・バンドであるという一点の事実があるようにも思う.けれども,一方でこの批評はBABYMETALへの批判的言説のハードルを端的に上げてしまったとも思う.
    そもそもMerzbowまで持ち出している時点で,日本固有の文脈をもつ「アイドル」のフォーマットに還元することにしか能のない日本の鈍感な中傷者(ファンも同断であるにせよ)よりも広範な射程から物を言っているのは明らかだ.
    しかしだからこそ,たとえばJOJO広重や秋田昌美(Merzbow)がAV女優の沢口みきをプロデュースしたアルケミーの企画物や,暴力温泉芸者におけるデス渋谷系の「何でもあり」のユーモアがある側面ではBABYMETALに通ずるものであることについてどう考えるのか,というところまで踏み込んで欲しかった気もする.
    時代はずれるにせよ,ジャパノイズが「何でもあり」の日本的「アイドル」の文化的なネガであるがゆえに,BiS階段は単に音のレベルには止まらず越境的に成立しえたとも言える.その上で,様々な相反する要素のあいだにバランスを取りながら,BiSにおける「アイドル」の否定性やそれと同質のメタルにおけるネガティヴィティをkawaiiのフィルターを通してポジティヴに変換する真に過激なプロセスにこそ,BABYMETALの核心はあるのではないか.あるいはその変換のプロセスの孕むアイロニー自体が,それをカワイイメタル・ファンタジーとしてシアトリカルに提示するパフォーマンスの確かなプロフェッショナリズムへと変換・上書きされるというプロセスにも同じ二重性を見いだせるし,これは同時にBABYMETALに対するアイロニカルな拒絶や嘲笑から端的な中毒へと移行するファンの辿る道筋における二重性ともパラレルなものである.
    きゃりーぱみゅぱみゅがkawaiiを解説するとき,そこに必ずグロデスクな意匠を取り入れるということを強調し,その内面の精神的葛藤なきグロカワなスタイルをファッション・アイコンとして提示したように(きゃりーをエクストリーム・アイコンの系譜に位置づける宇川直宏),BABYMETALは,その戦略をメタルを対象として縦横無尽に適用・展開している.そこでは既存のメタルをまったく理解していない無知で健全な少女であり続けるということ自体が,その内面なき身体性の上でラウドな音響を,あるいは構成された偶像性(idol)の反復される復活の物語を「上演」するために必要とされている.日本の「何でもあり」が必ずしもweirdでfunnyな「何でもなし」に帰着するわけではないし,プロデュースされたマニュファクチュアであるものがエクストリーム化しないとも言えない.キッチュなアイドル性がMELT-BANANAの手触りを不意に想起させないとも限らない.
    それは,日本ではとんがったものが別のとんがったものと文化的に連関せざるをえないということでもあり,またそうした日本的なナチュラルにでたらめな連関はアメリカ的な規範性に対する大いなる挑発でもあるはずなのだが,残念ながらというべきか,それを看取しえない程度にこのnoiseyのアメリカ人ライターもまた規範的かつ良心的であったということなのかもしれない.

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    1. 「BABYMETALへの批判的言説のハードルを端的に上げてしまったとも思う。」 そうあってほしいと思います。もう陳腐なコメント、記事は見飽きました。これからは専門的かつ客観的視野をもつレベルの高い内容の記事が読めることを期待しています。ここの管理人さんのスキルなら問題なく素晴らしい翻訳なさって下さると思もってます。( 他人頼りで申し訳ございません) 「 ネガティブをkawaiiのヒィルタ―を通してポジティブに変換する」ですか。感覚的にはカレーに場違いな食材を入れてもカレー味になる感じでしょうか?まぁ 結局のところどう転ぶか分からないですよね。kobametalは楽しくもあり苦しい状況なのでしょうか。若干、心配です。それとkellyさんの分析は興味深かったです。日本のミックスカルチャーのBMの根底を看取しえないのは彼女がアメリカ的な規範と良心の持ち主だから。非常に的を得てると思いました。ですが、彼女は実際のところ自覚してるのではないのでしょうか?記事中に挙げてあるGallhammerにしてもBMとの類似点は少なからずあると思う ので、(あくまでサウンド面で ) 彼女の琴線にも触れているんではないかと思うのですがUnknownが前コメントでおっしゃる通り、心の葛藤があるのかもしれないですね。記事中に多々出される小言は単に嫌悪感からくる表現だと思ってましたが、もしかしたらあの攻撃性は自己防衛だったのかもと思うようになりました。まぁ 彼女の他の記事、読んだ事がないので何とも言えませんが。

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  26. 彼女の心には常に売れずに消えていったバンド達 もしくは 売れなくてもがんばってるバンド達がいるって感じがします ある意味やさしい女だと思ったわ

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  27. う、うわ日本人の長文な分析・解説はちょっと・・・

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  28. 認めつつもBMの魅力に惹き込まれまいと必死にMetal resistanceに抗ってるように見える
    それは絶望的ゼッタイ的純真無垢な若さへの同姓の本能的な嫉妬なのか
    それともKimと言う名からの意地なのか…
    と穿った見方をしてしまう

    アンチコメあってのベビメタだと思ってます
    アンチ系のしっかり批評してる和訳は初めて見ました有り難うございます

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  29. この方、アングラ好きでシニカルだけど、とらえ方は的確。
    でもMIKIKOダンスの革新性をまるで理解しようとしない。
    というかメタルにダンスなんて無理、というスタンスなんだろうね。

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  30. で、PUFFYのStrange Love聞いて、思わず
    カルメンマキ&OZ を思い出してしまったオイラはやっぱ化石w

    こんなアングラをBABYMETALがやるのは、あと5年?早いかも。

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  31. メタル自体は世間から見てマイナージャンルだけど、そのメタル界の中でも
    コアなマイナージャンルから見たベビメタという視点では興味深い。

    みんな世間的な認知度はまだまだ低いって言ってるのに、その5分の1でも
    注目が集まってくれたらいいのに、なんて言われてるしw

    そんでGallhammerって知らなかったから見てみたけど、これは売れないよw
    ベビメタの5分の1どころか100分の1でも注目を集められたら奇跡だろう。
    記者さんはこういうのが好きなのか。そりゃ辛口批評もするわな。

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  32. ベビメタは客スジの良さを特長とします。ホンヤクメタル様の活動も客スジの良さの証拠の一つと思います。

    批評について言えば、観客のインタビューがやたらと面白い。みんな楽しげに、いい話を語ってくれます。批評家、ジャーナリストにとって、ベビメタはなんとも厄介な存在でありましょう。

    欧米の批評家全体を見渡せば1stアルバム発売直後に"I've already surrendered. You're next."と言い切ってしまったDom Lawson氏の大勝利。

    キム氏の場合、ベビメタは荷が重すぎるようです。かなり辛そうです。挑発的な言葉づかいによる装飾で何とか誤魔化している感じ。売れないバンドに強すぎる同情心を持ってしまうのも、プロを対象とする批評家の態度としては残念に感じました。

    以上がキム氏の批評に対する私の感想です。
    ありがとうございました。
    ホンヤクメタル様のさらなる活躍を期待しております。

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    1. キム女史のこの歯切れの悪い文章は自分の愛して止まないバンドや、
      いままで自分を支えてくれた読者を裏切ることは出来ないという、
      心の葛藤のなせるもので、ある意味人間性の良さが滲み出ていると
      言うことも出来ます。

      その点、ドム・ローソンは冷徹なまでに政治的です。
      彼の記事にはメタルの復興による読者やファンの増加と、その
      年齢層の若返りによるメタルとその媒体の長らくの存続を
      狙った彼にとっては至極真っ当な思惑が如実に表れています。
      彼の発言に「BABYMETALはメタルじゃない。
      メタルとポップのハイブリッドだ。」というのがあります。
      この言葉はいろんなメディアで言ってますし、今の変わり無い
      様です。個人的にはメタルとは認めないがメタルの間口を拡げ
      顧客を増やすのにBABYMETALに一役買ってもらおう、という
      意図が見えてきます。もう完全に自分を殺して、政治的に利用
      すると覚悟を決めた上で、賭けに勝ったということです。

      メタル界の将来も含めた上では当然ドムの方が視野が広く、
      先見性もあったということになります。

      しかし、個人的にはキム女史を一概に腐す事もでなかったりします。
      そして、この二人の対比はとても面白いと思ったりします。

      削除
  33. いまだに保守的な評論家のロジックは30年間変わりないなー

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  34. 辛口の彼女なりにベビメタを認めてくれてるよね
    ただダンスの批評だけは的外れも甚だしい

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  35. この記者さんのお気に入りGallhammerの良さについて記事があれば読んで見たい。
    動画をいくつか見てみたけど退屈すぎて眠くなった。

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  36. ケリー女史の評論はダントツで中身が濃いですね。

    MIKIKOさんの振付を最高に面白いと思って見ているにわかファンですが、海外の記事から振付に関する部分をいくつか集めると…

    ・ダンスルーチンは非常にタイトで、女の子達は小型ロボットでもおかしくない程だ
    ・目が回るような振付で舞台狭しと踊りまくり
    ・タイトに振付された…
    ・元気溢れるダンスメタルマッシュアップが複雑な振付と融合し
    ・ぎちぎちに振付けられたダンスルーチン

    そこで、ケリー女史の「振り付けはめちゃくちゃ…」という部分の読み方ですが、二つ考えられると思います。

    一つは、メタルの場合「狂乱」「凶暴」「極悪」などは誉め言葉になるようなので「めちゃくちゃ」は必ずしも悪い意味ではない。

    もう一つは、小さな女の子達にあの振り付けを強いるのはめちゃくちゃ、という意味。
    その後に「女の子達が…弱りきっている…、わたしババアだからね」などが出てくる。

    15歳というのはオリンピックで金メダルを取れる体力がありますが(岩崎恭子さんは14歳)、欧米人にとってYUI・MOAさんはどうしても小学校低学年くらいに見えてしまうでしょうね。そこから来る錯覚のようなもの(たとえば健気)が変な感動を呼ぶ。

    「…子犬のようにステージを転げ回り」も否定的な文脈で出てきますが、そのように見られたらベビメタとしては成功でしょう。

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  37. kimはたぶん嫌いなバンドがいっぱいありそうです。そんな議論も楽しいので良いと思いますよ。kimみたいなやつはいっぱいいるし、それが普通だし。

    関係ないですけど、大昔ヘドバンギャーの作曲者narasakiさんがAmebixのWinterをライブでやっているのを見たことあるのを思い出しました。

    Babymetalを聞いていると、HeavyMetalとアイドルを世界はかくも必要としているんだなあと思うと同時に、その必要性の本質とは何だろうという気になってきます。
    カートコバーンが生きていたら、なんて言っただろう。

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  38.  「振付がめちゃくちゃ」という感想はおそらく、日本的な身体表現の感覚理解、共感が出来ていないからだろう。欧米ではリズムの表現や一般的な感情表現までしか用意されていない。日本の身体表現は日舞にみられるように、歌われるせりふや情景すべてを体から手先、指先まで使って表現する。複雑で多様な表現が「めちゃくちゃ」と映るのだろう。

     それからゆいもあのダンスが「滅多にシンクロしていない件」だが、音楽と歌詞の流れを二人で分担して表現しており、ダンスそのものは寸分の狂いなく音楽と連動している。多くの時間は二人のシンクロではなくシンコペーションを目指している。見る側にとってはゆいもあの動きの受け渡しを見るのが楽しいのだが。

     これらは音楽の流れに身をゆだね、ダンスを見慣れれば理解されていくはずものだ。Kimさんの反応は典型的なBM初心者の正直に表明したものである。単に見る経験が少ないだけで、この次に視聴したときには大幅に意見を変わると思う。

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    1. 1年近く経った今、シンコペーションとか言われると信憑性の高い評論に感じる
      こいつKOBAMETALかMIKIKO先生じゃね?みたいな感覚になるw

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    2. たしかにね、もしかしたら関係者なのかもしれないねw

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  39. ユイモアのダンスも姉さんからしたら、まだシンクロされてなくて、あまいんだな………
    厳しく見る人も必要だけどね。

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